フリーズメイジの各種リストとその特徴まとめ(フリーズメイジ中級編)
今回はフリーズメイジのデッキリストを変えることによってどういう変化が生まれるか、マッチアップ相性がどう変化するかまとめて考察してみます。
大会での構成、環境によって優先すべきゲームプランは異なってくるため、リストを変えて調整するとどういうゲームプランに強くなるか知っておくと色々と便利です。
この記事はフリーズメイジに慣れている人向けの記事になります。
目安としては他のデッキで毎月レジェンド達成orフリーズメイジで月末ランク3程度の実力くらいです。
「そこまでは無理です・・・」って人は入門編、及び座談会(動画、振り返り記事)を先に読んでもらえると理解しやすくなりますので、オススメします。
ゲームプランについて、及びその選択基準についてある程度知識があれば読みやすくなるかと思います。
フリーズメイジ座談会振り返り&補足 - ぼるs stone (仮)
○各カード解説
いくつかのカードはデッキリストの中心とは無関係に入れ替え可能で、メタに合わせて入れ替えするべきなのでそれらを先にピックアップして解説します。リストの中心カードに対しての相性の善し悪しがある場合は追記します。
・ミラーイメージ
対アグロ全般、ウォーリアに有効。特にハンター、ドラウォリ、ズーあたりには大きく影響する。アントニダスと相性がよく、1マナでファイアボールを生産出来る。
・アイスバリア
ほとんどのマッチアップで機能するが、デッキ枚数を調整する際に1枚減らすことはある。1枚刺しにするとレノの発動率が上がる。
・冷気の放射
ヘルス1のミニオンの多い環境のみ有効。現環境ではあまり見ない。ブリザードを1枚に減らしてこちらを採用するとレノの発動率が上がる。
・ドローミニオン3種(初級エンジニア、戦利品クレクレ君、苦痛の侍祭)
基本は3種2枚刺し、デッキ枚数の調整で2種2枚ずつ+1枚刺しの形に変えることが多い。
戦利品クレクレ君はスタッツが高く、2/3/2のミニオンに当てることでトレード出来るためハンター等に有効。ドロー速度が初級エンジニア、ドロー枚数では苦痛の侍祭が優れている。デッキを早く回す必要のあるレノ、松明とは苦痛の侍祭と初級エンジニアが相性が良く、バーンズとはクレクレ君、苦痛の侍祭が相性が良い。
・フレイムストライク
ミッドレンジシャーマン等横並べ型デッキに対して有効。コストの重さからアントニダス、マリゴスとは相性が悪く、1枚刺しを多くするためのカードとして使えるためレノとは相性が良い。
・パイロブラスト
ダメージレース中心になる対ミッドレンジ全般で有効。コストの重さからアントニダス、マリゴスとは相性が悪い。ダメージレースの際に計算が楽になるという利点がある。
○用語&テンプレート
便宜上、この記事においていくつか用語を定義して、それを用いてデッキリストごとに特徴を5段階で評価することにします。
アレクプラン→アレクストラーザを相手に使って15点にした後、残ったヘルス(+α)を削りきるゲームプランの取りやすさ
ダメージレース→火力呪文を相手のフェイスに打ち込み、そのまま削りきるゲームプランの取りやすさ
OTKプラン→火力呪文をまとめて使い、1ターンに20点以上のバーストダメージを出すことを狙うプランの取りやすさ
ヒールプラン→アレクストラーザ等でヒールをした後、ミニオンのビート等によってデッキ内の火力呪文以外の方法で削りきるプランの取りやすさ
総火力→火力呪文の総ダメージ量
事故りにくさ→手札が噛み合わない、ドローが回らない等の起こりにくさ
奇抜さ→相手の読みを外す、ゲームプランを狂わせる性能の高さ
以上の7項目を☆の数で評価します。(☆☆☆☆☆が最高)
マッチアップ相性については各自イメージするマッチアップ相性(%)に()内の数値を足し引きしてみてください。かなり大雑把ですが参考程度にはなると思います。
その他特徴についても書き加えていきます。
・松明型
アレクプラン :☆☆☆
ダメージレース:☆☆☆☆☆
OTKプラン :☆☆☆
ヒールプラン :☆☆
総火力 :☆☆
事故りにくさ :☆☆☆☆☆
奇抜さ :☆
旧神リリース後、最も安定して結果を出しているオーソドックスなデッキリスト。
事故りにくさとダメージレース性能の高さが魅力的。一方でダメージ量に制限がかかっているためウォリコン相手にはトコトン弱く、コントロール全般で1ミスが命取りになることも。*1
環境によってはフレイムストライクがミラーイメージになったり、ドローミニオンが全て2枚体制になったりすることもあるがさほど変化はない。このリストは10/14時点で流行中のミッドレンジシャーマンを意識してフレイムストライクを採用したもの。
マッチアップ:ハンター(+5%)、ローグ(+10%)、ウォリコン(-10%)
・アントニダス型
アレクプラン :☆☆☆☆
ダメージレース:☆☆
OTKプラン :☆☆
ヒールプラン :☆☆☆
総火力 :☆☆☆☆
事故りにくさ :☆☆☆☆
奇抜さ :☆☆
以前はフリーズメイジといえばこちらがオーソドックスな形だったが、松明型の流行に伴ってなんだかんだ日陰に追いやられたデッキリスト。*2
安定して火力を出せ、除去に火力を使いすぎてもアントニダスで補填出来る点が魅力。
また、対コントロールでは強引に火力を打ち続けることで相手の回復量を上回る速度で削りきることも出来る。*3
リーサル圏内に持ち込むまでの動き出しが若干遅く、対ミッドレンジ、テンポデッキでは穴になりがち。
マッチアップ:レノロック(+10%)、ドルイド(+5%)、ウォリコン(+5%)、マロパラ(+5%)、ハンター(-10%)、テンポメイジ(-5%)、ドラウォリ(-5%)
・コボルト型
アレクプラン :☆☆☆
ダメージレース:☆☆☆☆
OTKプラン :☆☆☆☆
ヒールプラン :☆
総火力 :☆☆☆☆
事故りにくさ :☆☆☆
奇抜さ :☆☆☆
10月シーズンに入ってから流行中のコボルト採用型のデッキリスト。
松明型の高いダメージレース性能を維持したまま、OTKプラン、総火力の面でも高性能で現環境では総合力の高いデッキ。
耐久性能が低く、ヒールプランが取りにくいため手札消費の早いアグロデッキに対しては何も出来ないまま負けることが多い。
マッチアップ:ドルイド(+10%)、ウォリコン(+10%)、レノロック(+10%)、マロパラ(+10%)、ミッドレンジシャーマン(+5%)、ズー(-5%)、アグロシャーマン(-10%)
・レノ型
アレクプラン :☆☆☆
ダメージレース:☆☆
OTKプラン :☆☆
ヒールプラン :☆☆☆☆☆
総火力 :☆☆☆☆☆
事故りにくさ :☆
奇抜さ :☆☆☆☆
フリーズメイジの中でもイレギュラーなレノ入りのデッキリスト。他のリストとはプレイングも相性もかなり異なる。
かなり癖があるが耐久性能が高く、アグロ相手にはレノを出せば勝ち、ミッドレンジ相手にもレノで回復した後アントニダスでひたすらファイアボールを打ち続けるという特殊なゲームプランで勝つことが出来る。
回った時は理論上最強だが事故率は非常に高く、残りデッキ5枚でもレノが光らないこともザラにある。
マッチアップ:マリゴスドルイド(+10%)、マロパラ(+10%)、ウォリコン(+5%)、レノロック(+5%)、ズー(+5%)、アグロシャーマン(+5%)、テンポメイジ(+5%)、トークンドルイド(-5%)、ミッドレンジシャーマン(-10%)、ハンター(-10%)、ローグ(-10%)、ドラウォリ(-10%)
・カラザン型
アレクプラン :☆☆☆
ダメージレース:☆☆☆
OTKプラン :☆
ヒールプラン :☆☆
総火力 :☆☆☆
事故りにくさ :☆☆
奇抜さ :☆☆☆☆
個別記事があるのでそちらを参照
Thijs式カラザンフリーズメイジ紹介 - ぼるs stone (仮)
・マリゴス型
アレクプラン :☆☆☆
ダメージレース:☆
OTKプラン :☆☆☆☆☆
ヒールプラン :☆☆
総火力 :☆☆☆☆
事故りにくさ :☆☆
奇抜さ :☆☆
OTKに特化したマリゴス入りのデッキリスト。おそらくほとんどのフリーズメイジ使いが1度は試したであろう形。
しかし残念なことに現在の環境ではOTK以外のメリットが一切無く、そのOTKプランが有効に機能するのも対プリーストのみである。
対コントロールでも強いには強いがアントニダスによるファイアボール追加(+6点)の方がマリゴスによる5点追加より大きく、ヒール量に限界があるコントロールパラディン、レノロックにはアントニダス型の劣化版になってしまう。*4
対ミッドレンジ、テンポ、アグロではダメージレースに持ち込めないため完全に松明型の劣化版に成り下がる。
マッチアップ:ウォリコン(+10%)、レノロック(+10%)、マロパラ(+10%)、ドルイド(+5%)、その他アグロ、ミッドレンジデッキ全般(-5~15%)
・レノヨグ型
アレクプラン :☆☆☆
ダメージレース:☆
OTKプラン :☆☆
ヒールプラン :☆☆☆☆☆
総火力 :☆☆☆☆☆
事故りにくさ :☆
奇抜さ :☆☆☆☆☆
悪魔に魂を売ってまで全てを手に入れようとした結果、事故率跳ね上がってしまった残念なリスト。筆者が7月シーズン上旬に開発してランク3まで登った後、あまりの事故率に挫折したデッキリストでもある。*5
事故さえなければウォリコン、アグロシャーマン以外全てのマッチアップで有利を取れるレベルの強さを持つが、肝心の事故率が尋常じゃなく、その上プレイングが複雑すぎて製作者本人すらよく分からない諸刃の剣。
特有のギミックとしてレノ+フロストノヴァ→ヨグサロンで2ターンかけてどんな状態からでも復帰出来る。
ヨグサロンのナーフに伴ってそれほど信頼出来なくなったため、現在はオススメ出来ない。仮にナーフが無かったとしてもオススメはしない。
マッチアップ:ほとんどマッチアップにおいて+(事故率を考慮しない場合に限る)、ダメージレース中心の早いデッキ相手のみ-
・まとめ
同じフリーズメイジというデッキタイプでもリストによって相性が若干変わったり、環境によって優位なリストが存在したり、大会特有で活躍出来るリストがあったりと少し工夫することで従来以上の力を出せることができます。
こうして色々なリストを載せてみましたが、他にもリストは多くあるので目的に応じてリストを選んでみてください。
おわりー!
*1:コントロール相手に致命的なミスして負けるようではフリーズメイジを使うメリットがないとも言える
*2:2016-2月付近まではこちらが主流だったが、コンボドルイドに対応してダメージレースを重視する構成として松明型が流行して以来立場が逆転した
*3:対コントロールでは松明型と比べ、雑なプレイでも強引に押し切れる
*4:アントニダスがスペル1枚につき6点の追加打点を得るのに対し、マリゴスはダメージスペル1枚につき5点の追加打点なのでミラーイメージや秘策等でも差がついてしまう
*5:その後アグロシャーマンを使うと一瞬でレジェヒットした。詳細は7月の記事
*6:フリーズメイジ初心者の人はおとなしく松明型を使いましょう。リスト変えるとゲームプランを選択する基準点が作れずに一生初心者のまま終わります。