栄誉の殿堂6枚のカードについて語る
さて、4月に入りましてそろそろ次の拡張とスタンダード落ちが近づいていますね。
多くの人がカード評価(スパムブロガー決定戦)をしていますが、自分はやるつもりないです。
画像を用意するのがめんどうなのと絶対当たるわけがないので。*1
というわけで、他の人とは違って今回は栄誉の殿堂としてクラシックカードからワイルドルールでしか使えなくなる6枚のカードについて評価してみます。
最初は前年の同時期に「基本カードとクラシックカードは常にスタンダードルールで使うことが出来る」と宣言して起きながら1年で撤回とは・・・と思ったのですが、6枚のカードにはスタンダードから追い出すべき理由が書かれていたこと、それと自分の考えを加えると妥当だと判断したのでその辺をダラダラ書きます。
○アジュア・ドレイク
公式の要約「万能すぎてとりあえずみんなデッキにブチ込むので多様性を奪ってる」
ごもっともでございます。
ミッドレンジ、テンポ系のデッキには5マナ枠にはほぼ確実に入り、場合に寄ってはアグロデッキにも採用される万能カードです。
場に出した瞬間に1枚ドローというのはそれなりに高い評価があり、他のカードは相応にスタッツが下げられているのにアジュアドレイクだけはなぜかその下げ幅がやたら小さくなってます。
さらには呪文ダメージというおまけがついていて、ゲーム後半においては同時にAOEを絡めることで盤面を取り返す補助まで出来ます。
そりゃあみんな入れますよね。
じゃあ5マナに比較的使いやすい効果でアジュアドレイクと枠を取り合うようなカードを実装しましょう、って話になるわけですが「強盗ログ」がなんとか勝負のラインに立てるかどうか程度であり、強盗ログが採用された場合はアジュアドレイクも採用されるのでやっぱりダメです。
もっと強いカードを実装してしまえばインフレを起こしてしまうのでこれ以上のカードは出せない、結果として5マナの便利枠はこのカード固定になるのでユニークな構築を妨げてしまうってことですね。
評価:妥当
○シルヴァナス・ウィンドランナー
公式の要約「断末魔の効果として強いので今後の断末魔シナジー実装で大暴れする」
発表当初はウンゴロのカードがほとんど公開されていなかったのでなんとも言えない状態でしたが、カード公開が進むごとにこれはまずいのでは・・・って思うようになりました。
プリーストの蜃気楼の呼び手(3/2/3,味方ミニオン1体の1/1コピーを召喚)が相当な悪さをしそうですし、何よりも今後断末魔を利用した面白いカードを実装するとシルヴァナスとのシナジーに気を使わなければいけないというのがダメですね。
今後のカードデザインにずっと制限をかけ続けるというのは良くないです。
1枚のカードのせいで将来追加されるかもしれない無数のカードが没になるのでプレイする側もデザインする側も損しかないです。
評価:妥当
○炎の王ラグナロス
公式の要約「高コスト帯のフィニッシャー枠として他のカードより採用されやすすぎる」
おっしゃる通り。
冷静に考えてクラス固有のレジェンドのうち、ミッドレンジ~コントロールデッキにおいて常にラグナロスよりも採用率が高いカードはティリオン、ジャラクサスくらいです。
テンポメイジにおけるアントニダスですらメタ次第ではラグナロスに椅子を取られますし、ドラウォリはグロマッシュ無しでラグナロスを入れた形をよく見かけます。
ラグナロスがここまで流行った影には大物ハンターの弱体化もあったとは思いますが、それだけでは無いでしょう。
自分もミッドレンジ系のデッキを組む時にフィニッシャーが足りないと思った時はまず最初にラグナロスを入れますし。クトゥーンドルイドを組んだ時もそうでした。
評価:妥当すぎて文句の付けようがない
○凄まじき力
公式の要約「バリュートレードやバーストダメージに使えてヤバイコンボの引き金になる」
ズーであったり、レノロックのリロイバーストコンボのことですね。分かります。
確かに相手の強力なミニオンを弱いミニオン+カード1枚でトレード出来てしまうこと、バーストダメージを簡単に出せてしまう点は強いかなぁとは思うのですが、他の栄誉の殿堂カードに比べると見劣りする気がします。
このカードがある限りズーのような小型のミニオンを連続して出してトレードしつつ盤面を形成するデッキタイプは永久に存在してしまう・・・と考えるとデッキタイプの多様性を奪うということになるんですかね。
評価:分からなくはない
○アイスランス
公式の要約「フリーズメイジは初期からずっと存在し続けて他のメイジが流行らないので抹消する」
そりゃあ世界最強のフリーズメイジ使いLaughingが公式にリプでF*ckと送るだけありますわ。
確かに化石デッキとかシーラカンスとか呼ばれるくらいほとんど変わらないリスト、コンセプトで昔から存在しているデッキですが、メイジの他のデッキが弱いからメイジのデッキとしてフリーズメイジが生き残っているわけで。
当然、メイジの他のデッキ、例えばテンポメイジやレノメイジは環境が合えばTier1やTier2上位に食い込み、フリーズメイジはTier2下位やTier3に落とされます。
メイジに他に強いデッキがあればそっちが流行し、環境がフリーズメイジに味方したらフリーズメイジが流行する。ただそれだけなんですよね。
問題はフリーズメイジというデッキタイプの相性が物凄く偏っていて、大会でカウンターデッキとして機能することが多い点なのかなと推測しています。
今の環境であればズー、レノロック、ミッドレンジシャーマン、アグロローグ、ミラクルローグ、ドラプリ辺りにはほとんど勝ててしまいます。
一方で翡翠ドル、レノメイジ、海賊ウォリ、アグロシャーマン辺りにはほとんど勝てません。
五分付近のマッチアップが存在しにくいので苦手なデッキをBANして得意なデッキが残る環境であれば確実に抜ける状態になるので大会にはとりあえず持ち込むみたいなことが起きるので大会的には面白く無いですね。
評価:妥当といえば妥当かなぁ
○隠蔽
公式の要約「ミラクルローグで競売人隠されたら詰むデッキがあるのはストレス溜まる」
すごく分かる。
実際ミラクルローグはフリーズメイジと同じく特定のデッキタイプに対して滅法強く、特定のデッキタイプには為すすべもなくなく負けることが多いです。
ミッドレンジ系のドルイド、コントロール系の多くのデッキに大幅有利を取れます。
ということはやはりフリーズメイジと同じく苦手なデッキをBANして得意なデッキが残れば以下略という状態になって面白く無いですね。
ただ、隠蔽というカードはアイスランスのように特定のデッキ専用カードではなく、隠れ身で次のターンに高確率でアタックが出来るというメリットを持っていて、今後それが悪さをする可能性があります。
アタックが通ってしまえば大きなアドバンテージを得られる中立orローグのカードが追加された場合には出して隠蔽して次のターンにアタックしてゲーム終了なんてことが起こり兼ねないわけで、これもまたカードデザインに影響してしまいます。
実際に少し前にひっそりと隠れ身付与の変装の達人の効果が1ターンのみに下方修正されてたので開発チームに隠れ身付与という効果が危険という認識があるのではないかと推測しています。
評価:妥当
以上6枚のカードがワイルド行きになった理由とそれに対する感想をつらつらと書きました。
全て公式発表、もしくはそれを掘り下げた解釈をすると納得してしまいますね。
さすがブリザード、さすがのバランス調整。
本当はこうなる前にやることあったんじゃないかと思いましたがまあいいでしょう。
フリーズメイジを愛用してきた自分にとってはアイスランスのワイルド行きは残念で仕方が無いです。
しかしまあ一つのデッキにこだわるがあまりゲームがつまらなくなったら元も子もないので諦めます。
というわけで今後はどんなデッキを使うことになるのか分かりませんがフリーズメイジの人は引退して別のデッキの研究をします。
新環境になってもぼるs stoneをよろしくお願いします。
おわり。
*1:ちょくちょく言ってますが、世界中にいるある程度の実力を持ったプレイヤー達が知恵を絞って、その中で一番優秀なアイディアがメタの主役になるわけで、それを一人のプレイヤーが当てるのは不可能に近いです。数万人vs1人ですから。