s27レジェンド到達クトゥーンドルイド
今月のレジェ到達に貢献してくれたクトゥーンドルイドのガイドっぽいものです。
以前からTwitterでずっと「ドルイドは繁茂と練気がある限り強い」と言い続けたのを証明出来たのでレシピや考え方の紹介をしたいと思います。*1
ランク7付近から他デッキと並行して使い、ランク3以降はクトゥーンドルイド一本で上げました。
勝率は59%ほど、ウォーリアに大きく勝ち越しました。特に苦手なマッチアップはなく、バランスよく戦えるデッキになっています。
○デッキコンセプト
まずドルイドで強いデッキを考える上で参考にすべきなのは旧環境のコンボドルイドだと思います。
旧環境のコンボドルイドは相手より先に強いミニオンを出して盤面を取った上でフィニッシュ手段としてロアコンで14点以上のダメージを出すデッキでした。
そこで「相手より先に強いミニオンを出して盤面を取る」「ロアコンに変わるフィニッシュ手段(=クトゥーン)を持つ」ことを重視しました。
○デッキリストについて
Silentstorm選手がNA1位を達成したリストを参考にして組んで、その上でメタと自分の考え方に合うようにカードを数枚入れ替えました。
主にウォーリア、アグロシャーマン、ズー、ミッドレンジハンターを想定したカードを入れ、デッキ全体として旧環境のコンボドルイドと似た動きが出来るようにマナカーブの調整をしました。
不採用になったカード。
・クラクシの琥珀織師
クトゥーンドルイドが過小評価されている(いた)諸悪の根源と言えるカードだと思います。
率直に言ってこのカード、めっちゃ弱いです。
スタッツやテキストを読む限り物凄く強いカードに見えるのですが、実際には4ターン目(あるいは4マナのターン)に効果が発動する事は滅多になく、また発動しやすいように組むとドルイドの強みであるマナ加速が活かせなくなります。
さらにゲーム終盤であればマナが余りがちになるため、4マナ4/10を出してヒーローパワーを打つくらいなら6マナ以上の強いカードを出した方が良いです。デッキのカード1枚あたりのバリューも低くなります。
結論としてこのカードを採用するとデッキ全体のパワーダウンに繋がると判断しました。*2
・邪悪の誘い手
同上の理由で不採用です。
ドルイドが2マナでやりたい動きはマナ加速です。
・生きている根
便利なカードではあるものの、キープして1ターン目に使いたいカードではないと思いました。これをキープするくらいなら繁茂や練気を引きに行くべきですし、マリガン後に来たとして1/1トークンは今の環境では火炎ジャグラー他で一方的に処理されます。
・ワタリガラスの偶像
初期には入っていましたが、アグロ対策としてダーナサスを入れたため抜ける形に。
生きている根と同じく便利ではあるもののこれをキープして1ターン目に使うくらいなら繁茂や練気を引きにいくマリガンをすべきだと思います。
ただし終盤での使い勝手の良さは抜群なのでコントロール寄りの環境なら採用するべきカードだと思います。
・古代地の番人
4→6と繋いで闇アラコアを出すのは魅力的ですがそれ以外ではあまり強くないため不採用。4マナでやりたいことは場に残る強いカードor相手に処理を強要出来るカードを出すことなので。*3
・シルヴァナスウィンドランナー
入れても良いが入れなくても良いという印象。枠としてはラグナロスとの入れ替えになると思いますが、個人的にはラグナロスがクトゥーンを引けなかった時の保険として機能するのでそちらを優先しました。
ここからは採用したカード。
・クトゥーンに選ばれし者
旧環境のコンボドルイドにおける手動操縦のシュレッダーです。
先攻2ターン目の繁茂から3ターン目に出す動きが強力で、2:1トレードを狙えます。
・暴走コドー
現環境最強のカード。対アグロデッキでは練気や繁茂で2~4ターン目に相手のミニオンを処理しながら出てくるとそれだけでゲームが終わります。
特にアグロシャーマンの野獣の精霊に対する返しとして練気から出すと消費マナは同じなのにこっちの盤面にだけ3/3が残るという理不尽極まりない強い動きになります。
他にも終末予言者、苦痛の侍祭等のコントロールで多用されるカードやブラッドフーフの勇士等のウォーリアのクラスカードに対しても刺さります。
・ハリソンジョーンズ
現環境最強のカードその2。Tempostromのメタ評価#4におけるティアー1,2の14デッキのうち9デッキに刺さります。アジュアドレイクの強化版みたいなカードです。
・ダーナサスの志願兵
アグロ対策として投入しました。トレードを強いることが出来て、処理されなければ4マナミニオンに繋げて有利トレードを繰り返すことが出来ます。
ブランブロンズビアード、練気と組み合わせて序盤に2マナ加速すると勝ちです。*4
・炎の王ラグナロス
前述の通り、クトゥーン以外のフィニッシャーが欲しかったため適当に採用。
このデッキリストのカードの中で一番信頼していないカードです。多分他の6~8マナの強いカードと入れ替えてもいいと思います。
ただし対処がしにくいカードなので対コントロールウォーリアやテンポメイジで相手に除去を多く切らせることが出来るというメリットもあります。他に同じような役割の強いカードがあったら教えてください。
○マリガン
・マストキープ
練気、野生の繁茂、ダーナサスの志願兵
・上記3枚のうちどれかがキープ出来ていて、マナカーブ通りにプレイ出来るならば
ファンドラルスタッグヘルム、クトゥーンに選ばれし者、黄昏の槌の長老、(暴走コドー)、(ハリソンジョーンズ)
ただし、暴走コドーは対ローグではキープしません。ハリソンジョーンズは武器のない相手にはキープしません。*5
自然の怒り、なぎ払い・・・・対アグロ、ズー等でキープを検討しますが、先攻でマストキープの3種が無いなら基本的には返します。後攻でマストキープの3種がない場合にキープするかどうかは3マナ、4マナのミニオンとの兼ね合わせで決めます。
○マッチアップ別プレイング
・全ヒーロー共通
基本的には練気、繁茂を使って相手より先に強い挑発ミニオンを出し、処理を強要させることでアドバンテージ、テンポを取りにいきます。ファンドラル、ブラン等の強力な効果を持つカードも処理を強要させる目的で使い捨てすることを視野に入れてプレイします。
・トークンドルイド
不利なマッチアップです。
早めに爪のドルイドや闇アラコアを出してトークンを出されること、バフされることを防ぐくらいしかなく、マナ加速で有利に立つことも出来ません。ファンドラル、バイオレットアイは即潰します。
・クトゥーンドルイド
先に強いカード出した方が勝ちます。
・ミッドレンジハンター
有利なマッチアップです。
芋虫、レオック、ツンドラサイ等に暴走コドーが刺さり、豊富な挑発持ちのおかげでダメージを抑えられます。
盤面を抑えたら早めにフェイスにダメージを与えてダメージレースで捲られることがないようにします。
相手が秘策と武器を付けてきたらハリソンでドローを増やすチャンスです。
中盤以降に盤面を抑えたらダメージレースでの勝利を目指します。クトゥーンは使わないことが多いですが基本的に出し得です。
・テンポメイジ
有利なマッチアップです。
フレイムウェイカーにコドーが刺さります。また、ヘルスが高いミニオンが多く、処理に手数を要求させることが出来るため盤面を維持できます。
怖いのはヨグサロンだけです。
盤面を抑えて殴り勝ちを狙います。クトゥーンはあってもなくても勝てます。
・フリーズメイジ
終末予言者が刺さらないのでそこそこ戦いやすいかと思います・・・・が見かけないのでよく分かりません。
・アグロパラディン
やや有利なマッチアップです。
このマッチアップもコドーとハリソンが活躍します。
挑発持ちを出してしまえば相手は止まりますが、ウルダマンで突破されて押し切られる可能性があります。聖なる盾があるとなぎ払いで一掃出来ないのも難しい点です。
盤面を抑えて殴り勝つか、クトゥーンがあればクトゥーンで一掃してそのまま殴りきりを狙います。
・ンゾスパラディン
マッチアップしなかったので不明。
・プリースト
ランク戦には存在しない。
・ミラクルローグ
やや有利なマッチアップです。
挑発持ちミニオンで蓋をしていればほとんどダメージを受けることが無く、簡単に勝てます。一方で競売人が回り始めると挑発持ちを昏倒で戻されてダメージを通されるので厳しくなります。
ダメージレースでの勝利を狙います。
・マリローグ
五分のマッチアップです。
ミラクルローグと同じ展開になりがちですが、マリローグの場合は盤面を取っていてもダメージを通されるので注意が必要です。
・アグロシャーマン
やや不利なマッチアップです。
練気や繁茂が引ければ問題なく盤面を抑えて勝つことが出来ますが、少しでも遅れると削りきられて負けます。
コドー、ハリソンが刺さりますが、ハリソンは狙いすぎても空振りに終わりやすいのであくまで盤面を取って挑発で蓋をすることを重視します。
・ミッドレンジシャーマン
なぜかほとんどマッチアップしなかったため不明。
・ズー
やや有利なマッチアップです。
アグロシャーマンと同じく盤面を抑えるかどうかが鍵になりますが、なぎ払い等が刺さりやすく、一度盤面を取れば取り返されることが無いのでその点で有利に立てます。
盤面を取り続けて相手に何もさせないまま終盤まで持ち込んで大型ミニオンで殴り勝ちを狙います。
・レノロック
大幅有利なマッチアップです。
盤面を簡単に制圧出来るため、プレッシャーをかけて確定除去や全体除去、レノを使わせます。
このマッチアップではブランは捨てず、ヴェクロアかクトゥーンの雄叫び2回発動を狙います。ヴェクロア2回の場合は捻れし冥界を打たせることを目的に、あるいは捻れし冥界を打たれた後の再展開として温存し、クトゥーンの場合はOTKを狙う形になります。
ミニオンを展開しすぎないように注意していれば勝てます。
・ドラゴンロック
大幅有利なマッチアップです。
レノロックと比較すると盤面を制圧しにくくなっていますが、その分ヒールを警戒しなくて良いので戦いやすさはレノロックと同じくらいです。
・コントロールウォーリア
有利なマッチアップです。
レノロックと同じ方法で勝てます。
乱闘をケアするため3体程度しか出さず、相手のアーマーを貼る量より高い打点が出るように上手く調整が必要です。
また、打点を稼ぐためブランの重要性がレノロックよりも高くなります。
アーマーさえ無ければ止めの一撃を使わせることが出来るので、止めの一撃と乱闘を2回見たらクトゥーンを出します。
シルヴァナスは多少アドバンテージを取られても処理しましょう。次のターンに乱闘が飛んできます。
除去を切らせてからクトゥーンを出すか、クトゥーンに除去を打たれても削りきれるように圧迫をかけるかの2パターンが勝ち筋になります。
・クトゥーンコントロールウォーリア
五分のマッチアップです。
盤面の取りにくさ、アーマーの多さの面で純粋なコントロールウォーリアより厳しくなりますが、戦い方はほぼ同じです。
ただし相手にクトゥーンを早く出された場合はかなり苦しくなるため、注意が必要です。
・ドラゴンコントロールウォーリア
大幅不利なマッチアップです。
盤面の取りあいにリソースを使わされる上、盤面で有利を取っても乱闘でクリアされ、最悪シルヴァナスとチルモーがンゾスで復活します。
コントロールウォーリアと違って試合が長引くほど勝ちが遠くなるので早めに勝負をつけたいところです。
・海賊ウォーリア
有利なマッチアップです。
相手は挑発持ちを突破出来ません。相手がぶん回ってこっちが事故ったりしなければまず勝てます。念の為に相手の体力を13点にして必殺の一撃2連発でリーサルにならないように注意しておくと良いと思います。
・テンポウォーリア
有利なマッチアップです。
相手のドロー手段である苦痛の侍祭をコドーで潰すことができます。
盤面を取っていれば終盤のボスラッシュにも対応出来ます。
盤面を取って削りつつ、クトゥーンやラグナロス等で削り切ります。
・パトロンウォーリア
やや有利なマッチアップです。
基本はテンポウォーリアと同じですが、パトロンを展開されるとクトゥーンが出せない、なぎ払いが打てない等非常に厄介なことになります。
ガイドは終わりです。
練気や繁茂を引いて盤面を取れば勝てるシンプルなデッキなので組める人は是非組んでみてください。
また、大型ミニオンが多めで全体除去のケアを考えないといけないので対コントロールでのプレイングを身に付けるにも最適なデッキだと思います。
皆さんも自然の力(暴力)で相手をボコボコにする楽しみを味わいましょう!
○余談
「ドルイドは繁茂と練気がある限り強い」という発言について。
この記事の冒頭でも書いたように旧環境のコンボドルイドのように「相手より先に強いミニオンを出す」「フィニッシュ手段を持つ」この2点が揃えば外側は違っても中心は同じなので強いデッキになるはずだと思ってました。
で、クトゥーンドルイドは同じように環境初期からこの2点を揃えたデッキとしてトップメタから準トップメタに位置するだろうと予想していたわけですが、なぜかティアー2から落ちたりする始末で「おかしいなぁ・・・・」という印象でした。
その後NA#1のレシピをみて思ったのが「クラクシが悪いんじゃねこれ!」です。
そのレシピにはクラクシも1枚採用されてたのですが、4マナ枠にクトゥーンに選ばれし者が2枚採用されていて、手動操縦のシュレッダーを思い出しました。
クラクシというどっからどう見ても強いカードのせいで旧環境のコンボドルイドみたいな4マナ、5マナの強いカードを早くプレイするっていう構築がしにくくなってたのではないかな、と思います。
それを踏まえた結果が今回のデッキリストになったわけでそれでレジェンドにあっさり到達出来て尚且つ100位台ということで「ドルイドは繁茂と練気がある限り強い」理論をある程度証明出来たのかなと思います。
やっぱり練気と繁茂はナーフされるべきだったんじゃないかなぁ・・・・と改めて感じました。
ドルイドストーンサイコー!!!