ミニガイド~大正義チルモーちゃんンゾスパラディン~
ミニガイドなので画像の編集すらめんどくさいのでそのままレシピ載せます。
ふざけたタイトルから編集手抜きっていう適当そうなスタートですが中身は真面目に書きます。
・始まり
Twitterで何気なくどのレジェを作るべきか聞いてみたところ、チルモーに対する評価があまりにも低かったのでチルモーの強さを証明したいと思い、「チルモーの強さを活かした上でレジェンド帯で勝ち越せるデッキを作る」ことにチャレンジしました。
ただし、既存のンゾス採用型コントロールウォーリアのような完成されたデッキを使っても面白くないので出来るだけ今までに無さそうデッキを作ることにしました。
・デッキリストに到達するまでの経緯
最初はビーストトークンドルイドにンゾスとチルモーを採用してみたのですが、チルモーとンゾスが勝敗に全く関与しなかったため、方針を変えてンゾスパラに救済とチルモーを入れ、ドラゴンを手札に入れた状態で6点AOEとして使うデッキを考えました。
その上でチルモーの効果を発動させたくない時にドラゴンを手札から捨てられるようにするためコストの低いフェアリードラゴンの採用、ヒーローパワーから出る1/1トークンと救済のかみ合わせの悪さからマルグルトンの採用にいたりました。
・結果
ンゾスパラにしてリストを入れ替えつつプレイしましたがトータルで14-11と勝ち越すことができました。
自分自身はンゾスパラは上手い人のプレイを何度か見たことがあるくらいで、自分で回したのは今回が始めてだったのでプレイングは相当怪しかったのですがそれでも相当な強さでした。*1
特にアグロに対するチルモーの刺さり具合、救済と挑発断末魔持ちカードのシナジーが強力で、場合によってはンゾスでティリオン2体チルモー2体シルヴァナスとケーアンが復活するみたいなオーバーキルも発生したりと面白い動きもできました。
・デッキ解説
ベースはンゾスパラなので基本的な解説は他の上手いンゾスパラ使いの人の動画やガイドをみてください。
普通のンゾスパラとは少し違うカードが入っているので主にそれの解説、というより採用理由や自分の考え方を紹介していきます。
チルモーに関しては最後に詳しく説明します。
○マルグルトン
以前から疑問に思っていた「アグロに向いていないヒーローパワーを変えるためにマルグルトンが入ったアグロデッキは複数あるのに、コントロールに向いていないヒーローパワーを変えるためにマルグルトンを採用したコントロールデッキがほとんどないのはなぜだろう?」というのを試す意味でも採用しました。
コントロールデッキならばヒーローパワーを使う回数が増えるため、ヒーローパワー置き換えの強さはアグロデッキより大きくなるだろうとも考えていました。
また、ンゾスパラの弱点であるヒール量に限界があることを補いつつ、救済とアンチシナジーなヒーローパワーを消すことが出来るため今回のデッキでは全てが上手くマッチした良いカードだったのではないかと思います。
実戦ではアグロに対してヒーローパワーで回復or装甲追加で耐えて終盤戦に持ち込むことが出来ました。
○救済
断末魔ミニオンを復活させることで断末魔が2回発動し、さらにンゾスで復活対象が増えます。
デッキに入れる断末魔持ちミニオンを減らし、強力なカードのみを多数復活させることが出来るのでバリュープレイが必要なマッチアップでは強いのでは、と思っていました。
・・・・が実際はバリュープレイが必要なマッチアップではンゾスで強いカードを複数復活させたところで乱闘等でケアされるためあまり意味がなく、どちらかと言うと対アグロで終末予言者を復活させてテンポを取ったり、チルモーによって盤面をクリアにする展開で活躍することが多かったです。
チルモーによる6点AOEはアグロ、ミッドレンジのデッキに対しては暴力としか言いようがない強さで、決まれば相手が爆発するレベルでした。
○フェアリードラゴン
前述の通りチルモーの効果を発動させるかどうかを自分で選択したかったので軽いドラゴンにしました。当初は変わりに竜王デスウィングが入っていたりしました。
対アグロで2ターン目に3/2ミニオン出す動きも考慮していたのですが、それをするくらいなら序盤に耐えて7ターン目のチルモーで相手のミニオンを飛ばした方が強いと気がつき、初手でキープするカードではなくなりました。
○炎の王ラグナロス、光の王ラグナロス
不採用になったカードです。両方とも強いのですが、このレシピにおいては救済で断末魔持ちミニオンが2回出せるのでデッキパワーとして十分すぎるのでここまでやる必要はないだろう、という判断で削りました。
枠がかなりギリギリなので苦痛の侍祭やウルダマンの番人等含め、削るカードを選ぶのには相当苦労しました。その他のカードも消去法的に削っていったので確信を持って外したカードはほとんどないです。
・チルモーについて
みなさんお待たせしました。チルモーの強さを語ります。
○スタッツについて
チルモーのスタッツは6/6挑発です。コスト7としては弱い部類です。変クリーパーの方が強いです。
6/6挑発の適正なマナは6~6.5程度で、クラス固有やレジェンドカードであれば6マナ、中立のエピック以下なら6.5マナかな、という印象です。*2
というわけで議論すべきは「断末魔:手札にドラゴンがあれば全ミニオンに3点ダメージ」が1マナ以上の価値があるのかどうかです。
○全体3点ダメージの価値
ウォーリアの2マナのカード「報復」が全ミニオンに1点、ただし自分の体力が12以下なら3点という効果でこれにかなり近いと言えます。
同様に1マナの「旋風剣」が1点、ウォーロックの4マナ「地獄の炎」が全てのキャラクターに3点のダメージ、プリーストの5マナ「掘り出されし邪悪」が3点ダメージ+相手の山札にこのカードを追加、この2種類も近いカードと言えますね。
これらを考慮すると最低でも2マナ以上、最高5マナクラスのバリューがあると言えます。
チルモーにも条件がついていること、断末魔であるため自分が意図してないタイミングで発動してしまう可能性があることを考慮して自分はチルモーの断末魔効果を2.5マナ程度のバリューと評価しました。
○チルモーの適正コスト
これによってチルモーは6+2.5で8.5マナ相当の強さのカードだと結論付ました。
○ンゾスとのシナジー
3点ダメージの発動を前提にすると盤面に味方ミニオンが多い状態では出せないので必然的にミニオン以外で盤面をコントロールするデッキタイプになり、そうするとンゾスを使ったコントロールデッキに絞られます。
ンゾスによって本体を守れる挑発持ちカードが盤面に出てくるのは非常に強いです。
挑発持ちが復活しない状態だと相手にリーサルをかけられる場合があり、ンゾスが出せないといったことになりがちです。
ンゾスパラはティリオンが復活するので強いわけで、ティリオンと同じ挑発持ちのチルモーもまた強いです。
また、ンゾスで復活した後に3点ダメージが発動するとせっかく復活したミニオンがやられるのでは?と思うかもしれませんが、そもそもンゾスで復活するミニオンは3点程度では死なない上、追加のダメージで死んだとしても強力な断末魔が発動するので十分です。
そもそも3点ダメージが発動しない状態にすることも出来ます。
○見えない条件の強み
断末魔の効果が発動するかどうかは相手には分かりません。
2回目であれば確実分かるパターンもありますが、1回目のチルモーの断末魔は発動するかどうかは動きをみて予想するしかありません。
これがチルモー最大の強みだと思っています。
ちょっと抽象的なので具体的かつ実際にありそうな例を上げてみましょう。
相手のメイジが6ターン目にこちらのミニオン全ての体力を4以下になるように調整してきました。あなたはフレイムストライクを警戒しますか?
おそらくほとんどの人が警戒をした上でミニオンの展開を控えめにするとか、状況によってはフレイムストライク持ってないと読んで割り切るとか、そういう判断をするでしょう。
ここでもし読みを外してしまったらどうなるでしょうか。
展開を控えめにした結果フレイムウェイカーと魔力の矢、魔力の炸裂等で除去されたら?持ってないと読んで割り切った結果フレイムストライクを打たれたら?
チルモーの強みはこれです。
チルモーを場に出しただけで相手に読むことを強いることが出来ます。相手は裏目を考慮したプレイをしなければなりません。
単純にボード上での最善手を打てば良いだけの状態から確率、期待値、裏目を引いた時のリスク、読み当てた時のリターン・・・考慮すべきことが格段に増えます。*4
考慮すべきことが増えればそれだけ正解を導くことが難しくなります。読み合いに勝っても思考時間を削られて盤面上での最善手まで辿りつくのも難易度が上がります。
「分からない」
たったこれだけでアドバンテージの塊です。
結構長くなってしまいましたが、チルモーの強さが伝われば良いと思います。
チルモーちゃんは決して弱くはありません。チルモーちゃんを輝かせることが出来るかどうかはあなたの構築センスと駆け引き次第です。
終わり。
*1:2試合目なんかは打点数え間違えて1点足りなくてリーサルミスして負けたり、とにかくひどかった。
*2:爪のドルイド、変クリーパー、闘技場の覇者等を参考に。基本的にクラス固有や1枚制限のレジェンドカードは他のカードよりスタッツが高く設定されているというのは1マナ1/3ミニオンを見れば分かると思います。
*3:ただし、適正なマナよりも低いコストで強い効果を持つからといって強いわけではありません。デッキコンセプトやクラスデザインによってはその強さが発揮できない場合が多々あります。以前ガイドに書いたクトゥーンドルイドにおけるクラクシはその典型例です。
*4:当然ですがある程度上手い人は普段から色んな裏目や残りのAOEの枚数、トップから引くカードの確率等、色々考えています。ここで言ったのはそれらに加えてチルモー1体によって状況が複雑化する、という意味です。